100mmクラスのコードレスディスクグラインダを選ぶとき、「手持ちの18Vバッテリーを生かしたいが、切断や研削に必要な力は妥協したくない」と考える人は多いでしょう。HiKOKI(ハイコーキ)のG1810DBは、18V機ながら最大出力750Wを確保し、ブレーキ、キックバック軽減システム、再起動防止機能、ソフトスタートなどを備えた100mmコードレスディスクグラインダです。
結論から言えば、G1810DBは、軽快な取り回しと既存の18Vバッテリー資産を重視しながら、鉄材の研削、切断、バリ取り、サビ落としなどを幅広くこなしたい人に向いています。一方で、厚い鋼材を連続して切る仕事や高負荷作業が中心なら、最大出力1,500Wの36V機G3610DCも比較すべきです。本記事では、HiKOKI公式情報をもとに、G1810DBの特徴、仕様、用途、メリット、注意点、G3610DCとの違い、セット品の選び方まで具体的に解説します。
HiKOKI G1810DBとは
G1810DBは、外径100mmのトイシを使用する18Vコードレスディスクグラインダです。ブラシレスモーターを採用し、最大出力は750W。回転数は3,200~8,000min-1の範囲で調整でき、材料や先端工具に合わせて速度を変えられます。切断だけでなく、溶接ビードの研削、金属のバリ取り、塗膜やサビの除去など、作業内容が変わる現場で扱いやすい構成です。

本体寸法は全長363mm、機体幅60mmで、質量はBSL36A18X装着時2.5kgです。ただし、公式仕様の質量にはトイシとサイドハンドルが含まれていません。購入時や持ち運び時には、装着する先端工具を含めた実際の重量が少し増える点を考慮してください。
G1810DBの主な仕様
| 項目 | G1810DB |
|---|---|
| 電圧 | 18V |
| トイシ寸法 | 外径100×最大厚さ6×穴径15mm |
| 無負荷回転数 | 3,200~8,000min-1 |
| オートモード | 5,500min-1(無負荷時)/8,000min-1(負荷時) |
| 最大出力 | 750W |
| 寸法 | 全長363×機体幅60mm(トイシ含まず) |
| 質量 | 2.5kg(BSL36A18X装着時、トイシ・サイドハンドル含まず) |
| 対応バッテリー | 残量表示付き18Vリチウムイオン電池、マルチボルト蓄電池 |
| 標準付属品 | フレキシブルトイシ、防振形サイドハンドル、スパナ、六角棒スパナ、ホイルワッシャB3 |
仕様上の重要点は、100mmクラスで回転数を細かく調整できることと、安全・保護機能が充実していることです。高速回転だけで押し切る機種ではなく、作業条件に合わせて速度と持ち方を整えやすい設計といえます。
G1810DBの特徴
18V機で最大出力750W
最大出力750Wは、鉄筋や全ねじの切断、鋼材の研削、溶接後の仕上げなど、一般的な100mmグラインダ作業を想定した出力です。36V機G3610DCの最大出力1,500Wには及びませんが、軽作業専用という位置づけでもありません。作業量と携帯性のバランスを取りたい職人や、18V工具を中心にそろえているユーザーにとって実用的な選択肢です。
公式の作業量目安では、5.0Ah相当の電池使用時に、コンクリートの溝入れ(深さ20mm)が約8.6m、直径10mm鉄筋の切断が約124本です。実際の作業量は材料、押し付け方、先端工具の状態、気温、バッテリーの劣化などで変わりますが、予備電池を何個準備すべきか判断する材料になります。
粉じんの侵入を抑える耐久設計
ディスクグラインダは、金属粉やコンクリート粉じんが舞う環境で使われるため、内部への粉じん侵入が寿命に影響します。G1810DBは、ボールベアリングまわりの防じん性を従来機比で2.5倍に高めたと案内されています。また、スイッチハウジングにはレーザー溶着が用いられ、防じん・耐水性に配慮されています。
本体後部には着脱式の防じんフィルタがあり、清掃しやすいのも実務上の利点です。ただし、防じん・耐水への配慮は、水中使用や粉じんを無制限に吸い込ませてもよいという意味ではありません。作業後はフィルタや吸気部の粉じんを取り除き、濡れた状態で保管しないことが重要です。
負荷から復帰すると回転を自動回復
切断中に押し付けすぎると回転が落ち、保護制御で停止することがあります。G1810DBは、負荷が改善して約1.5秒以内に正常な状態へ戻ると、回転を自動で回復させる機能を備えています。従来のように、その都度スイッチを入れ直す手間を減らせるため、連続作業の流れを崩しにくくなります。
ただし、キックバック軽減システムが作動した場合は自動復帰しません。また、負荷状況によってはスイッチを入れ直す必要があります。停止原因を確認せずに刃を材料へ押し込むのではなく、噛み込み、切断方向、トイシの摩耗を確認してから再開してください。
握りやすい細径ボディ

G1810DBは、モーター部周長56mm、握り部周長46mmの細径ボディを採用しています。グラインダはトイシの反力を受けるため、単に本体が軽いだけでなく、手のひらと指で確実に保持できることが重要です。握りが細いと、上向き作業や細かな角度調整でも手首に無理が出にくく、スイッチ操作もしやすくなります。
サイドハンドルは3方向へ取り付け可能です。右利き・左利きへの対応だけでなく、切断線の見やすさや壁際での取り回しに合わせて位置を変更できます。標準付属の防振形サイドハンドルを正しく使い、両手で保持することが安全な作業につながります。
無段変速ダイヤルとオートモード

回転数は3,200~8,000min-1の範囲で調整できます。金属の切断では高め、塗装面の研磨や熱を持たせたくない作業では低めというように、先端工具の許容回転数と用途に合わせられます。低速で始めれば、作業開始時に先端工具が材料へ弾かれるリスクも抑えやすくなります。
オートモードでは、無負荷時に5,500min-1、負荷がかかると8,000min-1へ切り替わります。作業していない時間の騒音や電池消費を抑えながら、材料へ当てたときに必要な回転を確保する考え方です。常に一定の回転感を求める場合は手動設定、作業の合間が多い場合はオートモードと使い分けるとよいでしょう。
安全性と作業継続を支える機能
G1810DBには、トイシの噛み込みなどによる急激な回転低下を検知してモーターを停止させるキックバック軽減システムがあります。さらに、電池を差し直したときにスイッチがONのままでも起動しない再起動防止機能、始動時の反動を抑えるソフトスタート、スイッチを切った後の惰性回転を短くするブレーキを備えています。

スライドスイッチは、押してからスライドする2アクション式です。不意にスイッチへ触れただけで始動しにくく、連続運転時には握り続ける負担を減らせます。ただし、これらは事故を完全に防ぐ機能ではありません。保護メガネ、防じんマスク、耳栓、手袋などの保護具を使用し、トイシカバーを正しく装着することが前提です。
工具なしで調整できるホイルガード
ホイルガードはレバー操作で位置調整でき、工具を使わずに作業方向へ合わせられます。切断と研削を切り替えるたびに工具を探す必要がなく、火花や破片が作業者へ向かない位置へ調整しやすい点がメリットです。使用する先端工具に適合するカバーを選び、固定後にガタつきがないことを確認してください。
G1810DBでできる主な作業
鉄材の切断
適合する切断トイシを取り付ければ、鉄筋、全ねじ、アングル材、薄い鋼管などを切断できます。コードがないため、足場、屋外、電源から離れた補修現場でも取り回しやすいのが強みです。材料を確実に固定し、トイシをねじらず、切断線へまっすぐ入れることがポイントです。
溶接部や金属面の研削
フレキシブルトイシや研削トイシを使い、溶接ビードのならし、端部のバリ取り、金属面の粗削りに対応します。押し付けすぎると回転低下やトイシの偏摩耗につながるため、回転が安定する荷重で少しずつ移動させます。仕上げ品質を重視する場合は、粒度の異なる先端工具を段階的に使うと効率的です。
サビ・塗膜の除去
許容回転数が適合するワイヤブラシや研磨材を使用すれば、鋼材表面のサビ落としや古い塗膜の除去にも使えます。無段変速を活用し、材料を削りすぎない回転数から試せるのが利点です。ワイヤの飛散に備え、顔全体を覆う保護具と長袖を着用してください。
コンクリートの溝入れ
適合するダイヤモンドホイールとカバーを用いれば、コンクリートの溝入れにも対応します。標準付属品にはダイヤモンドホイール用のホイルワッシャB3が含まれます。ただし、コンクリート粉じんは健康と工具の両方へ影響するため、集じん方法、防じんマスク、周囲の養生を必ず検討してください。
G1810DBを選ぶメリット
- 18Vバッテリーを共用しやすい:対応するHiKOKI 18V電池やマルチボルト電池をすでに持っていれば、NN仕様で導入コストを抑えられます。
- 回転数を用途に合わせられる:切断、研削、サビ落としなど、先端工具に応じて速度を調整できます。
- 持ちやすさに配慮:細径ボディと3方向サイドハンドルにより、姿勢や利き手に合わせやすい設計です。
- 安全機能が充実:ブレーキ、キックバック軽減、再起動防止、ソフトスタートを備えます。
- 作業を止めにくい:短時間で負荷が改善した場合の回転復帰機能により、スイッチ再操作の回数を減らせます。
購入前に知っておきたい注意点
36V機ほどの余裕はない
G1810DBの最大出力は750Wで、G3610DCの1,500Wとは明確な差があります。断続的な研削や細い鉄筋の切断ではG1810DBの軽快さが生きますが、厚い鋼材を何本も切る、強く押し付ける研削を長時間続ける、といった使い方では36V機の方が回転を維持しやすいでしょう。工具の優劣ではなく、作業負荷と使用時間で選ぶことが大切です。
バッテリー互換性を確認する
対応するのは残量表示付きの18Vリチウムイオン電池とマルチボルト蓄電池です。旧型のBSL3620、BSL3625、BSL3626、BSL3660、およびAC/DCアダプタET36Aは使用できません。手元にHiKOKIバッテリーがある場合も、型番まで確認してから本体のみのNN仕様を選んでください。
先端工具の外径と許容回転数を守る
トイシは外径100mm、穴径15mmに適合する製品を選びます。切断トイシ、ダイヤモンドホイール、ワイヤブラシなどは、用途だけでなく許容回転数、取付方法、使用するカバーも確認してください。サイズが合うように見えても、許容回転数が不足する先端工具は破損する危険があります。
安全機能に頼り切らない
キックバック軽減システムは急激な回転低下を検知する補助機能で、すべての反動を防げるわけではありません。材料の固定、正しい切断方向、両手保持、カバーの装着、作業前点検が基本です。トイシに欠けやひびがある場合は使用せず、交換後は人のいない方向へ向けて試運転してください。
粉じん対策とメンテナンスが必要
金属粉やコンクリート粉が吸気口へ詰まると、冷却性能が落ちて保護停止や故障につながります。防じんフィルタを定期的に清掃し、通風口を塞がないようにしてください。作業後すぐに可燃物の近くへ置かず、火花が周囲の木くず、布、溶剤へ飛ばないよう作業前に片付けることも重要です。
G1810DBとG3610DCの違い
| 比較項目 | G1810DB | G3610DC |
|---|---|---|
| 電圧 | 18V | 36V(マルチボルト) |
| 最大出力 | 750W | 1,500W |
| 無負荷回転数 | 3,200~8,000min-1 | 3,200~10,000min-1 |
| トイシ | 100mm | 100mm |
| 質量 | 2.5kg | 2.5kg |
| コンクリート溝入れ目安 | 約8.6m | 約7.6m |
| 直径10mm鉄筋切断目安 | 約124本 | 約152本 |
| 照明 | 記載なし | デュアルLEDライト |
| NN希望小売価格(税別) | 30,900円 | 34,300円 |
両機の質量は公式仕様上2.5kgで同じですが、パワーには大きな差があります。G3610DCは高負荷時の回転維持力、最大10,000min-1の高速回転、手元を照らすデュアルLEDが強みです。鉄筋切断の目安もG3610DCが多く、金属切断を主目的にするなら有力です。
一方、コンクリート溝入れの作業量目安はG1810DBが約8.6m、G3610DCが約7.6mと案内されています。作業量は出力だけで決まらず、回転制御や条件にも左右されることが分かります。すでに18V電池を複数持ち、断続的な切断・研削が中心なら、G1810DBの方がシステム全体を簡潔にできます。
G1810DBを選びやすいケース
- HiKOKIの18Vバッテリーをすでに複数所有している
- 100mmトイシで一般的な切断・研削・サビ落としを行う
- 高負荷連続作業より、現場での取り回しと電池共用を優先する
- 回転数を落として材料への熱や傷を抑えたい
G3610DCを選びやすいケース
- 厚い鋼材や鉄筋を連続して切断する
- 最大出力と高速回転を重視する
- 暗い場所で使うためLEDライトが必要
- マルチボルト工具へ統一している
2XPZとNNはどちらを選ぶべきか
G1810DBには、バッテリーと充電器を含む2XPZと、本体のみのNNがあります。2XPZにはマルチボルト蓄電池BSL36A18Xが2個、急速充電器UC18YDL2、システムケース3が付属します。初めてHiKOKIのコードレス工具を導入する人、予備電池とケースまで一度にそろえたい人に向きます。
NNはバッテリーと充電器が付属しません。適合する電池と充電器を所有している人には無駄が少なく、税別希望小売価格も2XPZの92,100円に対して30,900円です。ただし、手持ち電池が古い非対応型番の場合は使えないため、購入前に必ず確認してください。販売店によってセット内容が異なる場合があるので、商品名だけでなく同梱品一覧を見ることが重要です。
G1810DBが向いている人・向いていない人
向いている人
G1810DBは、設備、板金、配管、建築、農機具の補修などで、切断と研削を一台でこなしたい人に向いています。特に18V工具を中心に運用している現場では、充電器や予備電池を共用できるため、持ち込む荷物を減らせます。DIYでも、金属加工を継続的に行い、安全機能と速度調整を重視する人には選ぶ価値があります。
向いていない人
一日を通して厚物を切断し続ける人や、強い負荷をかけた研削が主業務の人には、より高出力な36V機が適します。また、グラインダを初めて使い、先端工具やカバーの選び方を理解していない場合は、工具だけ購入して自己流で始めるのはおすすめできません。取扱説明書を読み、経験者の指導を受けられる環境を整えてください。
G1810DBについてよくある質問
G1810DBにバッテリーは付属しますか?
2XPZにはBSL36A18Xが2個と急速充電器UC18YDL2、システムケース3が付属します。NNは本体のみで、バッテリーと充電器は付属しません。販売ページの末尾にある仕様記号を確認してください。
18Vバッテリーならどれでも使えますか?
残量表示付きのHiKOKI 18Vリチウムイオン電池とマルチボルト蓄電池に対応します。旧型36V電池のBSL3620、BSL3625、BSL3626、BSL3660、およびET36Aは使用できません。
G1810DBで切断作業はできますか?
適合する100mm切断トイシと切断用カバーを正しく装着すれば、鉄筋や鋼材の切断に使えます。トイシの用途、穴径、許容回転数を確認し、材料を固定してまっすぐ切り進めてください。
回転数はどのように選べばよいですか?
先端工具の説明書に記載された推奨・許容回転数を最優先します。一般に切断は高め、研磨やサビ落としは材料の状態を見ながら低めから試します。オートモードは無負荷時の回転と騒音を抑え、負荷時に回転を上げたい作業に便利です。
キックバック軽減システムがあれば片手で使えますか?
いいえ。キックバック軽減システムは補助機能で、すべての反動を防ぐものではありません。原則としてサイドハンドルを取り付け、両手で確実に保持し、身体をトイシの延長線上から外して作業してください。
G3610DCとの最大の違いは何ですか?
大きな違いは電圧と最大出力です。G1810DBは18V・750W、G3610DCは36V・1,500Wです。既存の18V電池を生かした軽快な運用ならG1810DB、高負荷作業の余裕を優先するならG3610DCが選びやすいでしょう。
防じん・耐水なら雨の中でも使えますか?
防じん・耐水への配慮はありますが、雨中や水がかかる場所での使用を意味しません。感電、短絡、故障を防ぐため、乾燥した環境で使用・保管し、作業後はフィルタと通風口を清掃してください。
まとめ:G1810DBは18Vの取り回しと安全機能を重視する人に合う
HiKOKI G1810DBは、100mmトイシ、最大出力750W、3,200~8,000min-1の無段変速を備えた18Vコードレスディスクグラインダです。細径ボディ、3方向に取り付けられる防振形サイドハンドル、工具なしで調整できるホイルガードにより、現場での保持と段取りを考えた構成になっています。
ブレーキ、キックバック軽減、再起動防止、ソフトスタートに加え、短時間で負荷が改善した場合の回転復帰機能も特徴です。既存のHiKOKI 18V電池を共用し、鉄材の切断、研削、バリ取り、サビ落としを幅広く行うなら有力候補です。高負荷の連続作業を優先する場合はG3610DC、電池共用と扱いやすさを優先する場合はG1810DBという基準で選ぶと、購入後のミスマッチを避けやすいでしょう。
仕様・付属品・希望小売価格は2026年9月10日時点のHiKOKI G1810DB公式製品情報およびG3610DC公式製品情報をもとにしています。販売時期や仕様記号によって同梱品が異なる場合があるため、購入前に最新情報をご確認ください。


