建設機械や農業機械、フォークリフトのメンテナンスでは、グリスニップルの数が多く、手動式グリスガンを何度も操作する作業が負担になりがちです。注油箇所の圧力が高いと吐出速度が落ち、作業時間が延びることもあります。マキタのGP001Gは、40Vmaxバッテリとブラシレスモータを組み合わせ、最大吐出圧力69MPa、4速時の吐出量350mL/minを掲げる充電式グリスガンです。
今回取り上げるGP001GZは本体のみの販売形名で、バッテリ、充電器、ケースは付属しません。バッテリや充電器が付くGP001GRDとは価格も内容も違います。購入時は「GP001G」という基本モデル名だけでなく、末尾のZまたはRDまで確認する必要があります。
この記事では、マキタ公式製品ページ、公式ニュース、製品カタログ、取扱説明書をもとに、GP001GZの仕様、定量吐出モード、4段階の吐出速度、用途、メリット、注意点、安全な使い方、GP001GRDとの違いを整理します。吐出量や1充電作業量は公式条件に基づく参考値であり、現場の圧力、気温、グリスの種類、バッテリ状態によって変わります。
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マキタGP001GZはどんな製品?
GP001Gは、マキタの40Vmaxバッテリを使用する充電式グリスガンです。建機や農業機械などにあるグリスニップルへ、フレキシブルホースとアダプタを接続してグリスを圧送します。電動式なので、手動レバーを何度も押す代わりにトリガ操作で注油でき、複数箇所を回るメンテナンスの負担軽減を狙えます。
公式では、携帯式の充電式グリスガンにおいて「世界最高」の吐出量と案内されています。ただし、これは2025年12月現在のマキタ調べという条件付きの表現です。常圧での吐出量は4速時350mL/minですが、注油対象側の圧力が高い場合やグリスの状態、温度などによって実際の吐出量は変わります。数字だけで作業時間を断定せず、比較の目安として見ることが大切です。
GP001GZは本体のみです。共通標準付属品として、フレキシブルホース1200、アダプタ、ショルダーベルト、バレルアッセンブリBが含まれますが、40Vmaxバッテリ、充電器、プラスチックケースは別売です。初めてマキタ40Vmax製品を導入する場合は、電源一式を含めた総額で比べてください。

GP001GZの主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電源 | 直流36V(40Vmax、満充電時のバッテリ電圧表記) |
| 電動機 | DCブラシレスモータ |
| バレル内径 | φ60mm |
| グリス容量 | カートリッジ420mL(400g)、バルク620mL(590g) |
| 適合グリスちょう度 | NLGI No.0~No.2 |
| 最大吐出圧力 | 69MPa |
| 吐出量 | 1速145、2速220、3速290、4速350mL/min |
| 防じん・防水 | 本体IP56、対応バッテリIP56 |
| 本機寸法 | 395×112×245mm(BL4025装着時) |
| 質量 | 5.1kg(BL4025装着時) |
| メーカー希望小売価格 | 74,300円(税別) |
| バッテリ・充電器・ケース | 別売 |
吐出量は常圧で吐出した場合の参考値です。注油対象側の圧力などにより変わります。1充電あたりの作業量も、BL4025、常圧、気温20℃、NLGI No.2という公式条件で、1速約14,000mL、2速約12,000mL、3速約10,500mL、4速約9,500mLとされています。速度を上げるほど短時間に多く吐出できますが、同じバッテリで扱える総量は小さくなる傾向です。
BL4040またはBL4040Fを装着した場合、取扱説明書では寸法395×112×258mm、質量5.4kgです。バッテリ容量を増やすと作業時間の余裕は期待できますが、本体が重くなり高さも増します。ショルダーベルトを使うとしても、注油箇所の高さ、持ち運ぶ距離、取り回しを含めてバッテリを選びましょう。

GP001GZの主な特長
40Vmaxとブラシレスモータで高圧作業に対応
GP001Gは40Vmaxバッテリとハイパワーブラシレスモータを採用し、最大吐出圧力69MPaに対応します。公式では60MPaの高圧域で、マキタ18V従来機と比べて吐出速度が約150%になったと案内されています。大型機械のクローラ張りなど、注油対象側の圧力が高い場面で作業を効率化する狙いがあります。
比較値は特定の試験条件によるもので、すべての現場で作業時間が同じ割合で短くなる意味ではありません。ニップルの詰まり、ホースの状態、グリスのちょう度や温度が影響します。吐出しないときに力任せでトリガを引き続けず、接続、エア噛み、ニップル、ホースを点検してください。

1~99ストロークを設定できる定量吐出モード
新機能の定量吐出モードでは、操作パネルで1~99の範囲からストローク数を設定できます。設定したストローク数に達すると自動で停止するため、複数箇所へ一定量ずつ注油したい作業に向きます。毎回バレル残量を見ながら感覚でトリガを離す方法と比べ、作業手順をそろえやすいのが利点です。
ただし、設定するストローク数と実際の吐出量の関係は、グリスや圧力、エア混入などの条件で変わり得ます。重要な設備では、メーカーの保守基準や必要量を確認し、初回は実際の吐出状態を確かめて設定してください。多すぎる注油もシール損傷や漏れの原因になる場合があります。

4段階の吐出速度とトリガ変速
吐出速度は1速145、2速220、3速290、4速350mL/minの4段階です。さらにトリガの引き加減でも吐出量を調整できます。少量を慎重に入れたい箇所では低速、大きなバレルや連続作業では高速というように、対象へ合わせて選びやすい構成です。
速度が速いほど常に良いわけではありません。ニップル周辺から漏れたり、ホースが不自然に動いたり、対象側の抵抗が高かったりするときは、いったん停止して原因を確認します。定量吐出モードのほか、自動停止せず吐出できる連続吐出モードも選べます。
定回転制御とエア噛み検知
定回転制御は負荷が変化したときの吐出量のばらつきを抑え、安定したグリスアップを助けます。また、トリガを操作してもグリスが吐出されない場合、吐出量表示部を点滅させてエア噛みを知らせる機能があります。
表示は原因を見つける手がかりであり、自動修理機能ではありません。カートリッジ交換やバルク充填の後に空気が入った場合は、取扱説明書に従ってエア抜きを行います。ドレンバルブやリリーフ弁を扱うときも、グリスが飛散しない方向と姿勢を確認してください。
LEDライトと誤作動防止機能
ニップル周辺を照らすLEDライトを備え、建機の下側や暗い機械室で接続位置を確認しやすくします。トリガを引いた状態で保持できるロックボタン、誤作動を防ぐトリガロックボタン、電気ブレーキ、再起動防止機能も装備します。
ロック機能を使っていても、本体から手を離したまま運転しないでください。移動、ホースの付け替え、詰まり確認、グリス充填の前にはトリガロックだけに頼らず、スイッチを切ってバッテリを外します。

想定される用途
建設機械のクローラや可動部
油圧ショベルなどの建設機械には複数の給脂箇所があり、対象側の圧力が高い作業もあります。GP001Gの最大69MPaと高圧域での吐出性能は、こうした連続メンテナンスを想定したものです。定量吐出モードを使えば、作業表に沿って複数箇所へ同じ設定で注油しやすくなります。

農業機械の定期メンテナンス
トラクタや作業機など、泥やほこりの影響を受ける農業機械では定期的な清掃と給脂が欠かせません。40Vmaxバッテリ式なら電源コードやエアホースを引き回さずに圃場近くで作業できます。ただし、ニップル周辺の土や異物を拭き取らずに接続すると、内部へ汚れを押し込む恐れがあります。

フォークリフトや搬送設備
フォークリフト、ガントリークレーン、搬送設備など、点検箇所を順番に回る作業にも利用できます。機械を停止し、キー管理やロックアウトなど職場の安全手順を守ってから作業します。荷や可動部が不意に動く状態で給脂作業をしないでください。

GP001GZのメリット
手動式より連続作業の負担を減らしやすい
手動式グリスガンでは、片手で本体を支えながらもう一方の手でレバーを繰り返し操作する場面があります。GP001Gはトリガ操作で吐出でき、ショルダーベルトも付属するため、複数箇所を回る作業で腕や手の反復負担を減らしやすい製品です。
本体はBL4025装着時で5.1kgあり、軽量な手工具ではありません。長時間持ち続けるより、ショルダーベルトを適切に調整し、足元へ置ける安全な場所を確保しながら使うことが重要です。
既存の40Vmaxバッテリ資産を生かせる
すでにマキタ40Vmaxバッテリと対応充電器を持っている人は、本体のみのGP001GZを選ぶことで電源一式の重複を避けられます。推奨バッテリはBL4020、BL4025、BL4040、BL4040Fで、BL4050F、BL4080F、BL4080Hも使用可能と案内されています。
手持ちバッテリなら何でも同じではありません。容量で質量と高さが変わり、古いバッテリでは作業量が低下する場合があります。購入前に型式、状態、充電器の対応を取扱説明書で確認してください。
カートリッジとバルク充填の両方に対応
グリス容量はカートリッジ420mLとバルク620mLに対応します。現場の運用やグリス管理方法に合わせて選べるのが利点です。カートリッジは交換や種類管理をしやすく、バルク充填は使用量が多い現場で運用しやすい場合があります。
異なる種類のグリスを混ぜると性能が変わる可能性があります。バレルやホースに残ったグリスを確認し、設備メーカーが指定する種類とちょう度を守ってください。
注意点・デメリット
GP001GZは本体のみ
GP001GZのメーカー希望小売価格は74,300円(税別)ですが、バッテリ、充電器、ケースは付属しません。初めて40Vmaxを導入する場合、BL4025、DC40RA、ケースを別々にそろえる必要があります。セット品GP001GRDはこれらを含み109,400円(税別)です。
販売ページの写真にバッテリが装着されていても、付属を意味するとは限りません。商品名にZがあるかRDがあるか、付属品欄にBL4025とDC40RAが書かれているかを確認してください。
5.1kgあり、持ち回りには準備が必要
BL4025装着時の質量は5.1kgです。ホースを接続し、グリスを満量にすると取り回しの負担も考える必要があります。付属のショルダーベルトを正しく取り付け、無理な姿勢や高所で本体をぶら下げたまま作業しないでください。
高圧グリスによる重大なけがの危険がある
最大吐出圧力69MPaの製品であり、ホースの破損や接続不良で高圧グリスが皮膚や目に入ると重大な事故につながります。高圧グリスが皮膚へ注入された傷は、外見が小さくても組織損傷や感染症の恐れがあります。単なる切り傷と判断せず、直ちに医療機関を受診してください。
防じん・防水IP56を過信できない
本体と対応バッテリはIP56ですが、粉じんや水で故障しないことを保証する表示ではありません。雨中、水中、洗浄水が直接かかる場所、過度な粉じん環境での使用や放置は避けます。濡れた状態でバッテリを着脱・充電しないでください。

GP001GZとGP001GRDの違い
| 販売形名 | 内容 | メーカー希望小売価格(税別) |
|---|---|---|
| GP001GZ | 本体のみ。バッテリ、充電器、ケース別売 | 74,300円 |
| GP001GRD | BL4025(2.5Ah)1本、DC40RA、プラスチックケース付 | 109,400円 |
両方とも基本性能と共通標準付属品は同じです。40Vmaxバッテリを持っているならGP001GZ、初めて導入して持ち運び用ケースも必要ならGP001GRDが分かりやすい選択肢です。価格は2026年7月31日に確認した公式情報で、実売価格や在庫は販売店と時期により変わります。
標準付属品と別販売品
GP001GZにも、フレキシブルホース1200、アダプタ、ショルダーベルト、バレルアッセンブリBが標準付属します。ホース、アダプタ、バレルは本機に取り付けられた状態です。作業対象のニップル形状や狭さにより、別売のロックオンアダプタやアングルアダプタを検討できます。
別販売品には、アダプタセット品3個A-79398、ロックオンアダプタセット品A-79142、アングルアダプタセット品A-71146、フレキシブルホース1200 A-00011、フレキシブルホース600 A-00027、GP001G専用バレルアッセンブリBセット品A-79407、延長パイプセット品A-75138があります。
既存のホースやアダプタを流用するときは、ねじや耐圧が合うと自己判断しないでください。取扱説明書で指定される純正品を使い、摩耗、亀裂、折れ、金具の緩みがある部品は交換します。
安全に使うための注意
作業前
取扱説明書を読み、保護メガネと厚手の手袋を着用します。本体、ホース、アダプタ、バレルに損傷や漏れがないか確認し、グリスニップル周辺の土、砂、古いグリスを清掃します。使用するグリスが設備指定の種類で、NLGI No.0~No.2の範囲にあることも確認してください。
機械のエンジンや電源を停止し、不意に可動部が動かない安全措置を取ります。火気や可燃物の近くでグリスを充填・使用しません。アダプタを人へ向けず、ホースを体へ巻き付けないでください。
グリス充填と接続
グリスを充填するときは、スイッチを切り、バッテリを抜きます。バレルハンドルのロッドを確実にロックし、取扱説明書の手順でカートリッジまたはバルクグリスを充填します。グリス以外の油や液体を入れないでください。
カートリッジ交換後などにエアが入った場合は、ドレンバルブを使って指定手順でエア抜きをします。吐出しない状態で高速度のまま運転を続けたり、ホースを極端に曲げたりしないでください。
作業中
本体を確実に保持し、アダプタをニップルへ正しく接続してからトリガを操作します。ホースが膨らむ、漏れる、異常に振れる、異音がする、グリスが接続部から飛散するといった異常があれば、すぐに停止します。
高圧グリスが皮膚や目に入った場合は、油を拭いただけで作業へ戻らず、直ちに医療機関を受診します。作業者自身が症状を軽く見ないこと、周囲の人にも高圧注入事故であることを伝えることが大切です。
作業後
トリガロックをかけ、バッテリを外してからホースと本体を清掃します。グリスが床に付くと滑りやすいため、漏れや飛散も拭き取ります。直射日光、高温、多湿、子どもが触れる場所を避けて保管してください。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 建機、農業機械、フォークリフトなどに複数の給脂箇所がある
- 高圧域でも安定した吐出を必要としている
- 定量吐出モードで作業手順をそろえたい
- マキタ40Vmaxバッテリと充電器をすでに持っている
- ホース点検、グリス管理、保護具の使用を確実に行える
向いていない人
- 年に数回、少量だけ手動で注油できればよい
- 5kg前後の本体を持ち回るのが難しい
- 40Vmaxバッテリと充電器を持っておらず、導入費を抑えたい
- 設備指定のグリスや給脂量を確認できない
- 高圧機器の安全管理やホース点検を行いたくない
購入前チェックリスト
- □ 販売形名がGP001GZである
- □ バッテリ、充電器、ケースが付属しないことを理解した
- □ 手持ちの40Vmaxバッテリと充電器が対応している
- □ 最大吐出圧力69MPaと4段階吐出量が用途に合う
- □ 使用するグリスがNLGI No.0~No.2の範囲である
- □ カートリッジ420mLまたはバルク620mLの運用を決めた
- □ 保護メガネと厚手の手袋を用意した
- □ 必要なアダプタとホースの長さを確認した
- □ メーカー希望小売価格と実売価格を区別した
- □ 高圧グリス注入事故時に直ちに受診する重要性を理解した
よくある質問
GP001GZにバッテリと充電器は付属しますか?
付属しません。GP001GZは本体のみで、バッテリ、充電器、ケースは別売です。BL4025、DC40RA、プラスチックケースが必要ならGP001GRDを確認してください。
GP001GZの最大吐出量はどれくらいですか?
4速時350mL/minです。ただし常圧で吐出した場合の参考値で、注油対象側の圧力、グリスのちょう度や温度などにより変わります。
どのグリスでも使えますか?
公式の適合範囲はNLGI No.0~No.2です。設備メーカーが指定する種類とちょう度を優先し、異なるグリスをむやみに混ぜないでください。グリス以外の液体には使用できません。
IP56なら雨の中で使えますか?
雨中使用や水没を保証するものではありません。IP56は粉じんや水の影響を受けにくい設計を示しますが、故障しないことを保証する表示ではないため、取扱説明書に従って濡れた環境を避けます。
定量吐出モードは何を設定しますか?
1~99のストローク数を設定し、設定数に達すると自動停止します。実際の吐出量は条件で変わるため、設備の必要給脂量と実際の吐出状態を確認して設定します。
手動式グリスガンから買い替える価値はありますか?
給脂箇所が多い、高圧作業がある、定量管理をしたい場合は効率化を期待できます。一方、使用頻度が低く少量だけなら、導入費と5.1kgの本体質量を考えると手動式が合理的な場合もあります。
まとめ
マキタGP001GZは、40Vmaxバッテリとブラシレスモータを使い、最大吐出圧力69MPa、4速時350mL/min、1~99ストロークの定量吐出モードを備えた充電式グリスガンです。建機、農業機械、フォークリフトなど、給脂箇所が多く高圧域の作業がある現場で、手動操作の負担と作業時間を減らすことを狙えます。
本体のみで74,300円(税別)、BL4025装着時5.1kgという点は購入前に確認が必要です。初めて40Vmaxを導入するなら、バッテリ、充電器、ケース付きのGP001GRDも含めて総額と運用を比較してください。
高圧グリスは皮膚や目に入ると重大な事故につながります。保護メガネと厚手の手袋を使用し、作業前のホース点検、指定グリスの確認、充填時のバッテリ取り外しを徹底してください。性能だけでなく、安全管理と保守を継続できるかまで含めて選ぶ製品です。


